◎下記項目をクリックして開く...
I. 家族信託のいちばんの典型例として
「実家の財産管理・売却(空き家対策)、認知症対策、親の生活費捻出」
成年後見制度では、家庭裁判所の監督下で被後見人等の財産を守ることが目的なので、資産の活用や相続税対策は困難。信託を利用すると高齢の親(例えば残された母)の財産管理、母の認知症対策として、認知証の母の自宅を売却・賃貸等して母の生活費・介護費にあてられます。後見制度では家庭裁判所の審判によりますので自宅の売却は困難です。
当事者として(委託者兼受益者):母、(受託者=管理・処分する人):長女、(受益者代理人):二女など他の兄弟姉妹、必要に応じて信託監督人を親族か専門的第三者などを設定する。
II. 「親の家(土地・建物)を空き家にしない為」
実家に住む父または母が、認知症等になった場合、その不動産を売却したり賃貸することが困難になります。後見制度の場合、家庭裁判所の審判が必要になり、売却等の処分ができないこともあり、介護費用の捻出ができないこともあります。
この様な場合、民事信託を利用すると実家の処分ができるようになります。
高齢の父を委託者、管理する人=受託者を長男とし、父は引き続き実家に居住し、将来判断能力が不十分になって施設に入居となったら、長男は、当該不動産を売買・賃貸等の処分をすることができます。売却代金や賃料は父の口座(信託口座)に入ります。
認知症対策と実家の空き家対策、更に、父の財産管理、介護費用捻出が容易になります。
III. 「相続手続を介さずに残された妻名義に」
夫の死後、居住用不動産を遺産分割せずに(相続手続・売却をせずに)残された妻単独の名義にする方法として信託があります。
夫は、信頼できる子等(例えば長女)に居住用不動産を信託を原因として長女に移転登記し、その不動産を管理してもらい、夫は引続きその不動産に居住できます。
夫の死後、すぐ妻名義することができます。但し、子供の遺留分に留意が必要です。
夫を(委託者兼当初受益者)、長女を(受託者)、妻を(二次受益者)という信託契約です。
IV. 「遺言ではできないことの実現」例)夫⇒後妻⇒実子
夫の死後は、再婚の妻へ全財産を、その妻の死後は、夫の前妻の実子へとする場合、通常の相続・遺言では、その妻へ相続されてもその後、その妻の死後、妻の兄弟姉妹又は再婚相手に相続されることが多いでしょう。妻が夫の前妻の子に遺言をする又はその子と養子縁組をすることはあまり想定されません。
信託を利用すれば夫⇒後妻⇒前妻との子(実子)とすることが可能となります。(委託者兼当初受益者)夫、(受託者)夫の親族など、(二次受益者)後妻、(残余帰属権利者)実子という信託契約です。
V. 「後見(法定後見、任意後見)、遺言が困難な場合」
例)親亡きあとの障がいの子の生活確保
子において法定後見の適用がない又は困難な場合。任意後見が妥当しない場合。子供の遺言能力に問題がある場合。信託によれば、親の死亡後、親の財産の承継と子の財産管理・生活費の確保等を親の信頼できる人に託すことが可能です。
(委託者兼当初受益者)母、(受託者)母の親族など、(二次受益者)子、(残余帰属権利者)福祉施設など、(受益者代理人)母の親族、専門家などという信託契約です。
VI. 「財産管理、認知症対策、相続税対策」
成年後見制度では、家庭裁判所の監督下で被後見人等の財産を守ることが目的なので、資産の活用や相続税対策は困難。信託を利用すると高齢の親(例えば残された母)の財産管理、母の認知症対策、母の資産の活用や相続税対策が可能。
(委託者兼受益者)母、(受託者)長女、(受益者代理人)母の信頼する親族・専門家等
「家族信託のデメリット」
約2年間の実務及び研修を通じて、デメリットはあまり想定されませんが次のようなことがあげられます:
-
受託者による信託財産の消費
但し、成年後見人のように7割が赤の他人である弁護士や司法書士であ るのに対し但し、家族信託は、ほとんど最も信頼できる親族から受託者を設定しています。
更に、受託者を受益者とともに監督する立場である信託監督人や受益者代理人を選任してお互いに連携・監督することで更に安全・安心な家族信託とすることもできます。
-
身上監護はできない
介護や医療に関する身上配慮などのケアはできません。
但し、判断能力の衰えた方、障害をお持ちの方のご家族は、当然にこれら身上監護を行っているのが現状です。
-
「損益通算」「事業承継税制」が適用できない
税制上のデメリットでこれらのケースは賃貸物件の複数所有者、会社経営者に該当する場合です。ご相談者の多くは、実家の親の認知症対策・空き家対策です。親の財産の一部から将来、処分困難な実家や金融資産を抽出し、処分権限を家族・親族の一部に管理・処分を委ねて、信託が開始しても、今までと何ら生活は変わりません。
◆ 家族信託について 業務の流れ ◆
- 家族信託の概要及び成年後見制度(任意後見契約を含む)との比較を含めてご説明
- 各ご家庭に合った信託プランのご提示、代表者様との面談、家族会議への出席、信託契約書原案のご提案
- 不動産信託契約書(不動産登記の添付書面となります。)の作成
原則、公正証書となります。
- 不動産信託登記の申請(司法書士・弁護士以外は行えません。)
- 信託設定後のフォロー
以上をすべて司法書士の私が行います。必要に応じて私が所属する一般社団法人家族信託普及協会(※私は協会にて「家族信託コーディネーター」の30時間の講習と年間数回の定期研修を受講しています。)から指導を仰ぐこともできます。